贈り物をする際、特に日本文化において「熨斗(のし)」は欠かせない存在です。
熨斗はただの飾りではなく、相手への感謝の気持ちや敬意を表す重要なマナーです。
しかし、熨斗の使い方を正しく理解している人は意外と少ないのが現実です。
熨斗にはさまざまな種類やルールがあり、誤った使い方をしてしまうと、せっかくの贈り物が台無しになってしまうこともあります。
この記事では、熨斗の基礎知識から、正しい使い方、注意点までを詳しく解説します。
これから贈り物をする際に自信を持って熨斗を使いこなせるようになるためのポイントを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

1. 熨斗とは?
熨斗は、贈り物に付ける紙製の飾りで、元々は祝い事において「延命長寿」や「無病息災」を祈る意味を込めて使用されていました。
江戸時代には、贈り物の包装に「熨斗」を使う習慣が広まり、現在のような形式に進化しました。
今では、贈り物に熨斗を添えることで、相手に対する敬意や感謝、祝いの気持ちを伝える役割を果たしています。
特に、結婚式や出産祝い、入学祝いなど、特別な意味を込めた贈り物に使用されます。
2. 熨斗の種類と用途
熨斗にはさまざまな種類がありますが、主に「蝶結び」「結び切り」の2種類が一般的です。
それぞれの使い方を理解することが重要です。
- 蝶結び(ちょうむすび)
蝶結びは、何度でも結び直すことができるため、繰り返しのお祝いに使用されます。
例えば、誕生日や結婚記念日、出産祝いなど、繰り返し行われるイベントに適しています。
蝶結びの熨斗は、主に「お祝い事」に使われることが多いです。 - 結び切り(むすびきり)
結び切りは一度結ぶとほどけないことから、「一度きり」や「これ以上の再発を願わない」という意味が込められています。
そのため、病気見舞いや葬儀などの場面では結び切りの熨斗を使います。結び切りは、特別な意味を込めて贈ることが多いので、注意が必要です。
3. 熨斗の種類と表書きのルール
熨斗には、いくつかの種類があります。
それぞれの熨斗には、表書きと呼ばれる言葉を記載する部分がありますが、この表書きにも意味があるため、状況に応じた使い方を覚えておくことが大切です。
- 「御祝」・「祝」
結婚式や出産祝い、誕生日などのお祝い事に使います。贈り物が相手の人生の節目を祝うものである場合、この表書きを使います。 - 「御礼」
相手への感謝の気持ちを伝える場合に使用します。例えば、引っ越しの手伝いやお世話になった際にお礼を伝えるときに適しています。 - 「御見舞」
病気やケガをした人に贈る場合に使います。お見舞いの際は、結び切りの熨斗を使うのが一般的です。 - 「御供」
葬儀や法事に際して使う熨斗です。この表書きも結び切りの熨斗が適しています。
4. 熨斗の正しい使い方
熨斗を贈り物に付ける際には、いくつかのマナーやルールがあります。
これらを守ることで、相手に対して礼儀正しく、思いやりを伝えることができます。
- 熨斗の位置
熨斗は贈り物の上部中央に付けます。
熨斗を贈り物の包装の一番上に置くことで、最も目立つ位置となり、相手に感謝の気持ちを強く伝えることができます。 - 表書きの文字
表書きは、贈り物の用途や目的に応じた適切な言葉を選ぶことが大切です。
また、書き方にも注意が必要で、漢字が正しく書かれていることが求められます。
特に「祝」や「御礼」など、意味を誤解されないように書き間違えに気をつけましょう。 - 包装の注意点
贈り物に熨斗を付ける際は、包装紙がしわにならないように、きれいに包むことが重要です。
包装が乱れていると、贈り物の印象が悪くなり、相手に不快感を与えることがあります。
5. 熨斗を使う際の注意点
熨斗を使う上で、いくつかの注意点があります。これらを押さえておくことで、マナーを守りつつ、相手に失礼のない贈り物ができます。
- 熨斗の種類を間違えない
先述したように、熨斗の種類には意味があります。誤って「結び切り」を使う場面で「蝶結び」を使ってしまうと、誤解を招くことがあります。
熨斗の種類を間違えないように注意しましょう。 - 熨斗を使わない場合もある
贈り物の種類によっては、熨斗を使わない方が良い場合もあります。
例えば、逆に軽視されてしまう可能性のあるケースでは、熨斗を避けた方が適切です。
贈り物をするシーンによって判断をしましょう。
6. まとめ
熨斗は、日本の贈り物文化において非常に重要な役割を果たしています。
正しい使い方を理解し、適切に熨斗を使うことで、贈り物に対する感謝や敬意をより一層深めることができます。
熨斗の種類や表書きの意味をしっかり把握し、マナーを守って贈り物をすることで、相手に対して礼儀正しく思いやりのある印象を与えることができるでしょう。
次回、贈り物をする際には、熨斗をしっかりと活用して、より素晴らしい贈り物を贈ってください。
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